@IDX:300
@OFF:0xc0
@SPK:
@JPN:　病院の４階。
@ENG:

@IDX:301
@OFF:0xdc
@SPK:
@JPN:　ここには大学の研究室や病院直轄の研究施設などが　ある。
@ENG:

@IDX:302
@OFF:0x122
@SPK:
@JPN:　普段なら、絶対に近寄らない場所。
@ENG:

@IDX:303
@OFF:0x152
@SPK:
@JPN:　……音の出所を探っている内に、こんなところまで　来てしまった。
@ENG:

@IDX:304
@OFF:0x1b0
@SPK:
@JPN:　だが、もう音は聞こえてこない。
@ENG:

@IDX:305
@OFF:0x1de
@SPK:
@JPN:　このフロアまで来た瞬間、何の前触れもなく消えて　しまった。
@ENG:

@IDX:306
@OFF:0x228
@SPK:
@JPN:　これではもう、音を辿ることはできない。
@ENG:

@IDX:307
@OFF:0x26c
@SPK:
@JPN:　まあ、ここまで来れば、もう充分だろう。
@ENG:

@IDX:308
@OFF:0x2a2
@SPK:
@JPN:　音の正体は分からなかったが、推測はできる。
@ENG:

@IDX:309
@OFF:0x2dc
@SPK:
@JPN:　……電子機器の発する高周波、大型モーターの振動　音、何かのファンの回転音。
@ENG:

@IDX:310
@OFF:0x336
@SPK:
@JPN:　そういった実験機器の類が出す音。
@ENG:

@IDX:311
@OFF:0x366
@SPK:
@JPN:　そんなところではないか？
@ENG:

@IDX:312
@OFF:0x402
@SPK:
@JPN:　その時、不意に研究室のドアが開いた。
@ENG:

@IDX:313
@OFF:0x436
@SPK:
@JPN:　こんな時間に、まだ人がいたのか？
@ENG:

@IDX:314
@OFF:0x466
@SPK:
@JPN:　……いや、さっきの音が実験機器の立てる音だった　とすれば、誰もいない方がおかしい。
@ENG:

@IDX:315
@OFF:0x4c8
@SPK:
@JPN:　だが、その部屋から姿を現したのは、思いも寄らぬ　人物だった。
@ENG:

@IDX:318
@OFF:0x5ba
@SPK:[\protag]
@JPN:　な……副院長！？　何でこんなところに……。
@ENG:

@IDX:320
@OFF:0x629
@SPK:［千草］
@JPN:　…………あなたは？
@ENG:

@IDX:323
@OFF:0x673
@SPK:[\protag]
@JPN:　え？　ああ、僕は変な物音が聞こえたから……。
@ENG:

@IDX:325
@OFF:0x6e4
@SPK:［千草］
@JPN:　…………。
@ENG:

@IDX:328
@OFF:0x726
@SPK:[\protag]
@JPN:　……あの……どうしたんですか？
@ENG:

@IDX:329
@OFF:0x786
@SPK:
@JPN:　……副院長の様子がおかしい。
@ENG:

@IDX:330
@OFF:0x7b2
@SPK:
@JPN:　僕を見て、怯えたように後ずさる……。
@ENG:

@IDX:331
@OFF:0x7e6
@SPK:
@JPN:　普段なら彼女から声をかけてくるのに、こちらから　話しかけても返事をしようとしない。
@ENG:

@IDX:334
@OFF:0x884
@SPK:[\protag]
@JPN:　一体、どうしたんですか？　さっきからなんか変ですよ？
@ENG:

@IDX:336
@OFF:0x8fd
@SPK:［千草］
@JPN:　あなたは？　……あなたは……誰？
@ENG:

@IDX:339
@OFF:0x955
@SPK:[\protag]
@JPN:　……はぁ？　何を言ってるんですか。僕は……。
@ENG:

@IDX:341
@OFF:0x9c6
@SPK:［千草］
@JPN:　あなた、誰なの？　私の知らない人……聞いたことない声……あなた、誰？
@ENG:

@IDX:344
@OFF:0xa42
@SPK:[\protag]
@JPN:　冗談はやめてくださいよ。
@ENG:

@IDX:346
@OFF:0xa9f
@SPK:［千草］
@JPN:　イヤ……もう、許して……私、もう洗いたくないの……。
@ENG:

@IDX:349
@OFF:0xb0b
@SPK:[\protag]
@JPN:　ど、どうしたんですか？　何かあったんですか？
@ENG:

@IDX:351
@OFF:0xbf6
@SPK:［千草］
@JPN:　いや！　来ないで！　私、もうイヤなの……だから、だから、もうやめて！
@ENG:

@IDX:354
@OFF:0xc72
@SPK:[\protag]
@JPN:　副院長、落ち着いて！　僕を見てください！
@ENG:

@IDX:356
@OFF:0xcdf
@SPK:［千草］
@JPN:　イヤ、イヤ、イヤ……イヤァァァ！
@ENG:

@IDX:357
@OFF:0xd65
@SPK:
@JPN:　……一瞬の出来事だった。
@ENG:

@IDX:358
@OFF:0xd8d
@SPK:
@JPN:　体当たりするように副院長がぶつかってきた瞬間、　身体の中心に熱い衝撃が走る。
@ENG:

@IDX:359
@OFF:0xdfb
@SPK:
@JPN:　見下ろすと、僕の胸からメスの柄が生えていた。
@ENG:

@IDX:360
@OFF:0xe37
@SPK:
@JPN:　そこから赤いシミが広がり、シャツを染めていく。　
@ENG:

@IDX:362
@OFF:0xec0
@SPK:［千草］
@JPN:　あ……あぁぁ……違うの……私、違うの……。
@ENG:

@IDX:365
@OFF:0xf22
@SPK:[\protag]
@JPN:　ふくい、んちょう……ゴホッ、ゴホッ……！
@ENG:

@IDX:367
@OFF:0xf8f
@SPK:［千草］
@JPN:　ヒッ！？　イヤ、助けて……あぁぁぁ！
@ENG:

@IDX:368
@OFF:0x1003
@SPK:
@JPN:　……意識が……遠くなっていく……。
@ENG:

@IDX:369
@OFF:0x1035
@SPK:
@JPN:　咳をするたび、口から血の塊を吐き出す。
@ENG:

@IDX:370
@OFF:0x106b
@SPK:
@JPN:　背にした壁の感触が曖昧になり、ずるずると身体が　崩れ落ちていく。
@ENG:

@IDX:371
@OFF:0x10cd
@SPK:
@JPN:　……もう、どうでも良くなってきた……。
@ENG:

@IDX:372
@OFF:0x1103
@SPK:
@JPN:　真っ赤に染まったシャツが、やけに重く感じる。
@ENG:

@IDX:373
@OFF:0x113f
@SPK:
@JPN:　いや、自分の腕すらも重くて持ち上げられない。
@ENG:

@IDX:374
@OFF:0x118d
@SPK:
@JPN:　ふく、いんちょう……。
@ENG:

@IDX:375
@OFF:0x11b3
@SPK:
@JPN:　最後の力でそう呟くと、胸に刺さったメスの重みに　引かれるように、身体が前のめりに倒れた……。
@ENG:

